NO.1指定職について

1. はじめに

 平成9年、内部告発で指定職というカラクリを知り、調べてみて役人天国の
すごさを実感した。
当時、私はカラ会議・カラ出張等々の不正を次々と摘発していた。
 朝3時に起きてパン屋焼き、何時寝ているのか自分でも不思議なくらいだった。
 指定職について調べれば調べるほど訳が解らなくなり、調査を中止せざるを
得なかった。

 都議になって最初に手を付けたのが、指定職。理解するまでに3ヶ月もかかっ
てしまった。

 指定職といっても日本全国の地方自治体で採用している制度ではなく、
東京都・大阪府・名古屋市など一部が採用しているだけである。

 バブルが崩壊し、構造改革・財政改革が待ったなしの現在、
指定職なんか廃止すべきである。



2. 指定職って何だ?

 
指定職とは聞きなれない言葉だが、指定職給与表という最高ランクの給与表が
適用される都職員のことをいう。

 「一官一給与制の適用を受ける職員で、民間の常勤役員に相当する職員」
と専門書に書かれている。つまり、そのポスト(役職)で給料が決められている
民間の取締役のような役職を指定職と呼ぶ。

 
指定職給与表は1号給から10号給まで分かれており、指定職給与表の適用基準
を組み合わせることにより、都立大学総長は10号給、総務局長は8号給、荏原病
院院長は7号給など、どの指定職がいくらの給料月額なのかが解る。


 
3. 指定職の給与・ボーナス・退職金の計算 
 
 
複雑で申し訳ないが、計算が複雑なので計算式と項目及び項目の計算式を
列挙する。
 1. 月給(月収)は、
  給料月額+調整額 
 2. ボーナスは、
  (給与月額+調整手当+職務段階別加算額+管理職加算)×支給月数
 3. 退職金は、
  給与月額×退職金支給率(定年退職は62ヶ月)
  ということになる。
《参考》

給与月額 指定職給与表に書かれている給料月額
調整額 給与月額×0.12%
職務段階別加算額   給与月額+(給与月額×0.12%)×0.2
管理職加算 給与月額×0.25
  
では、具体的に計算してみよう

 1. 都立大学総長
   都立大の総長は、指定職給与表の適用基準から「指定職-10号給」なので
  上記の式に当てはめると、
   
給料月額  1,269,000円
月収 1,421,280円
ボーナス 7,787,726円
年収 24,843,086円
退職金 78,678,000円 
となる。

 
 2. 都総務局長
   都総務局長は、指定職給与表の適用基準の重要条例局長等にあたり
  「指定職-8号給」なので、上記の式に当てはめると、   

給料月額 1,106,000円
月収 1,238,720円
ボーナス           6,787,411円                   
年収 21,141,080円
退職金 68,572,000円
(平成13年9月21日現在、給料で5%、期末手当で0.02ヶ月分減額している
             ので、支給額は上記の金額より少なくなる。)
 また、13年7月1日現在の「指定職名簿」から、指定職職員の名前が解る。
高額な指定職給与を受け取っている幹部職員だが、給与に見合った仕事をやって
いるだろうか?大赤字を作ることにだけ貢献したのは認める。
しかし、経営的センスはあるのだろうか!


4. 指定職なんかいらない!

 私がこの指定職に関心を持ったのは、平成9年、都の職員から「後藤さん、
カラ会議・カラ出張を叩くのも大事だけど、指定職を知っているか?
指定職になるだけで、退職金が1500万円から2000万円以上高くなるんだ!
上の人間を叩いてくれ、俺も納税者の一人だからね。」という告発電話が
きっかけだ。
 調べて見ると、告発職員の言うとおり大儲けするのが指定職だった。
 当時はパン屋の仕事が忙しくまとめる暇もなかったが、
都議になったのを機会に本格的に調べてみた。
 指定職は国のシステムをまねて作ったものだ。指定職と行政職の違いは
なんなのだろう。指定職も行政職も同じ地方公務員である。
同じ地方公務員なのに、こんなに収入に格差が生じていいのだろうか!
 今の局長たちは、私が以前追及した、カラ会議費・カラ出張・
カラタクシーの張本人たちだ。大赤字の東京都をもたらした立役者たちだ。
その上、指定職を採用しているのは国のほか、東京都・大阪市・名古屋市。
また、京都・仙台市・青森は大学の学長だけだ。

 そこで、総務局長を例に取り、指定職の必要性を考えてみよう。
まず、総務局長がなんで指定職給与表で給与を払わなければいけないのだろう?
行政職給与表ではいけない理由は何なのか?
総務局長は行政職の最高額の10級・16号給で何でいけないのか?との疑問が
生じてくる。指定職を使用していない政令指定都市が存在し、事業に支障を
きたしていない。指定職などなくても住民は困らないのだ。
また、10級の最高は16号給まである、しかし、16号給は使用されていない。
なぜなら、自分たちの給料をあげるために、指定職に高飛びしているのだ。
そこで、総務局長が行政職の最高ランク「行政職給与表の10級・16号給
(配偶者あり)」の給与と仮定すると?

給料月額  620,600円
月収 897,440円
ボーナス 4,839,138円
年収 15,608,418円 
退職金 38,942,650円
となる。
 
 では、どのくらいの差があるか、比較してみよう。

指定職8号の場合 行政職10級・16号給 差額 
給料月額  1,106,000円  620,600円 485,400円
月収 1,238,720円 897,440円 341,280円
ボーナス 6,787,411円  4,839,138円 1,948,273円
年収 21,141,080円 15,608,418円  5,532,662円
退職金 68,572,000円 38,942,650円 29,629,350円
おどろくべき数字だ。これでは、指定職はおいしくて止められないはずだ。
このことから、指定職は単なるお手盛りの報償としか考えられない。


5. 指定職給料表の適用基準の情報公開

 以前、「指定職給料表の適用基準」を情報公開請求したが、非公開とされた。
しかし、つい最近、「非公開とされた指定職給料表の適用基準」が公開された。
「今度は時間がある、非公開なら裁判で決着を付け公開させてやる。」と意気
込んで、情報公開請求をしたのに、人事委員会から連絡があり、なんと「全部
公開」。せっかくの裁判がフイになり、気が抜けてしまった。
 公開された「指定職給料表の適用基準」を見て、公開したくない理由がうなず
けた。これが公開されれば、指定職の月収から退職金まで全貌が明らかになる。 


6. 行革110番作成のサンプルから給与を見てみよう!

 サンプルからみる指定職を理解するために、行政職をも含めた 係員から
局次長までサンプルを行革110番が作り試算をしてみた。 
 この職員給与の試算一覧表をクリックしてください。
  サンプルの設定は
   係員・・・・2級・6号給、独身
   主任・・・・4級・4号給・独身
   係長・・・・5級・9号給・配偶者・子供1人   
   課長補佐・・6級・15号給・配偶者・子供2人
   課長・・・・7級・17号給・配偶者・子供2人(15才から22才)
   統括課長・・8級・16号級・配偶者・子供2人(15才から22才)
   部長・・・・9級・17号給・配偶者
   局次長・・・10級・10号給・配偶者
 計算式は、東京都職員給料表の24ページの給与の算出方式による。



                 
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